はてな題詠「短歌の目」2017年8月
こちらの素敵な企画に初めて参加させて頂きます。
何卒よろしくお願いします。
8月題詠 5首
1. 流
この淵も悲恋の名残かいたずらに口の端のぼりわかれ流れて
2. 囃
海暮れて新町名もしらじらとやぐら囃子に人影の増え
3. フラット
蝉だけが騒ぐ真白きグラウンドまだそのみちはフラットであれ
4. 西瓜
薄惚けた西瓜のごとき泣き顔がきれぎれ光る夜の街かど
5. こめかみ
かき氷きみを撃ち抜けこめかみに優しく触れる口実のため
テーマ詠
今月のテーマ「怪談短歌」
窓のなか聞こえぬ悲鳴に耳澄ます眩しき真昼の住宅街に
錆び浮いた愛チャリは口が聞けずとも今日は晴天、お別れ日和
枇杷ゼリーお嫌いですか仏前に何度供えても動かしてある
腕自慢の叔父さんはお茶を飲みながらお前の耳も多いと勧める
夏のあさ抱かれ歌わる硝子の目みな気も留めず傍を過ぎゆく
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