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あなたの歌がききたくて。

小説とVOCALOIDと知らない人のことばが好き。

【6日目分】 「ボカロ」の歩みを振り返る 08年-10年・ネット上の流行が続いた年

また、間が空いてしまいましたが…。その間に色々な事がありましたね。
SMAPが解散したのは知ってますし(本当にお疲れ様でした。過去形じゃないか)、シン・ゴジラもとてもおもしろかったし(テンポが速くて濃密なのが良かった)、ポケGOはレベル9になったし浅間山付近ではスリープがやたら出没しますが。
文章に纏めるほど喋れるものというと限られるなあ、と思ったりします。


walking43.hatenablog.com


粛々と行きます。初音ミク発売の翌年である08年から。


***

★曲や絵が作れなくても。ラブとリスペクトの世界「MikuMikuDance


【3Dミクを躍らせるツールを自作してみた(説明前編)】

「歌ってみた」「踊ってみた」など、ボカロ(に限らないですが)関連で見る派生動画は多いですが。
08年2月、「CGモデルを躍らせることができるツール」を樋口M(樋口優氏)が公開。
初音ミクを踊らせることができるフリーソフト」ということで、「MikuMikuDance」という名前が付いていますが、その後、色々なモデルが追加され、ボカロに限らない広がりを見せています。



【第8回MMD杯本選】 祝!初音ミク初歌唱コンサートドッキリ!【MMD-PV】

MMDの良いところ。
色々な人が、長い時間と根気が要る作業を経て、モデルやステージやエフェクトやモーションを作る。
それを後の人が借りて、動かしたり踊らせたりするのだけど、MMDerの人って皆、「すごい」とか「ありがとう」って言うのを惜しまないんですよね。
最初の樋口Mから、あにまさ式から、いくら時代が下っても、そういう所から本当に大切にされているのが伝わってくるのがいい。

自分が好きなMMDをいくつか貼ります。キリがないのでボカロPV限定です。



【MME】水中風エフェクト 作例

今まで観たなかで一番美しいと思えるMMD。いくら見ても飽きない。
ちなみにミク衣裳のお腹がぺろっと開いてるのはAppend版のデザインだからです。



【第12回MMD杯本選】ミクさんが一曲披露してくれるそうです

前半、浮遊する楽器を掴もうとするアクション。そして後半、ギターを弾く指の動き。
光の陰影とかもそうですが、どれだけ手間掛かってるんだろうっていう。



MMD】つみ式ミクさんで『ドーナツホール』

有名MMD。フィギュアエフェクトの力をニコ厨に知らしめた動画。
技術も凄いですが、使っている方の腕によって生きたり死んだりするものなので。それを活かせる作者の方の実力が凄いと思います。



【第14回MMD杯Ex】ヒビカセ【再編集版】

ゆきねこさんのMMDがとても好きです。その中から1曲。
マジミラ2016ではこの曲をやるそうで…モーションはこのVerを使われるってことでいいんですか。
めちゃくちゃ楽しみなんですが。



【第10回MMD杯本選】WAVE【MusicVideo】

作者の方は、これが初めてのMMDということですが、信じられないハイレベルな動画。
一部ではわりと有名な動画ですが、音源(カバー)があのCircus-Pだということはあまり知られてないきがする。



【第10回MMD杯本選】チルドレンレコード 【ステージ配布&PV風】

2013年。懐かしい曲ですね。さすがのハイキックP。
動きだけとっても、モーションはシャバドゥビP、表情はcortさんという方が作られてます。
MMDは、キャプション/動画内/コンテンツツリー、等で借りたパーツを表記して謝意を表すのが通例みたいなんですが、映画のエンドロールみたいになってる時もあったりして、覚えておくのも大変だろうなと思ったり。



【第4回MMD杯本選】Chaining Intention【PV】

2010年、@まさたかP。
この曲をこの動画で知って、何度も視聴していた覚えがあります。
当時はLat式(※モデルの名前)が大人気で、見るのもLat式の動画が多かったですが、今はままま式とかtda式とか、その他色々なモデルさんを覚えて、色々な動画が見られて楽しい。
いま見ても色褪せない鮮やかさと可愛さです。



【第10回MMD杯本選遅刻】 ula式ミクちゃんと Mr.wonderboy * theme:X

あー…可愛い。
ula式モデルとか動画主さんの踊らせ方とかモーション元の方とか色々リスペクトはあるんですが取り敢えずかわいさたまりませんというコメントだけしておきます。かわいい。



MMD】508式リン・レンで、えれくとりっく・えんじぇぅアレンジカバー版

鏡音リンレン。初期の名曲のカバー版として投稿されたヒット動画が音源で、背景に流れているのはそのPVです。とても丁寧で可愛い動画。

★独特の魅力にハマる。フリーソフト「UTAU」

07年12月。VOCALOIDの隆盛に伴い、「音声データを録音して並べれば、歌わせることが可能じゃね?」と思った人が、自分の声を録音して動画をUPしたことが始まり。
「人力VOCALOID」ですね。

LOLI.COMは歌唱、ラップ、コーラス、作詞、作曲、編曲などをこなす、マルチクリエイター。
2015年10月25日、活動停止を表明。

ニコニコ大百科「LOLI.COM」:http://dic.nicovideo.jp/a/loli.com

ロリコム氏は、話せば長い人なんですけど。やっている事で言えば「ラップや作曲をする人」という認識で、まさかUTAUの起源だったとは知らなかった。
誰かに話したいけど「細かすぎるモノマネ」みたいなもので、絶対伝わらない自信がある。切ない。



人力ボーカロイド支援ツールらしきものを作ってみた その1 導入編

そこで、「人力VOCALOID」を支援するツールを作ったのが飴屋P。
そのソフトは「UTAU」という名前を付けられ、色々な人の音声ファイルを提供されるようになり、色々なUTAUが生まれるように。

UTAUはあまり詳しくないんですが、キャラと声の数がどんどん増えてる印象がある。完全ハンドメイドなので、それぞれに愛情をもってメンテやバージョンアップされているのが目に見えて良いです。

OSで例えると。VOCALOIDWindowsだとしたら、UTAUはLinuxみたいな感じ。
UTAUはフリーソフトなので、初期投資でいえばUTAUのほうが浮くわけですが。中級~上級者の方が使ってる印象があります。
普段、UTAUを使っている人が、VOCALOIDを使うとその実力がよく分かるきがする。
ちなみに、近年現れた音声合成ソフトの第三勢力、CeVIO(チェビオ)は、OSで例えるとなんですかね…Androidかなぁ。



【UTAUカバー】ヤンキーボーイ・ヤンキーガール【VIPPALOID5人】

UTAUの声は、大きく、パワー系とウィスパー系に分かれるんではないかと思っています。

パワー系は、重音テトや波音リツのような、人口音声っぽいけれど独特の力強さをもつ声。



【重音テト・波音リツ】フレイムハート【オリジナルMV】

ウィスパー系は、滲音かこいや雪歌ユフのような、ソフトで掠れた魅力のある声。



なつのあさごはん///雪歌ユフ、滲音かこい

VIPPALOIDについては↓で述べます。

★ネタで盛り上がる。「222戦争」と「スイミー


【底辺オリジナル】スイミー / 初音ミク

08年、2/22。ryoさんの新曲「恋は戦争」の投稿が予告されているのに伴い、VOCALOID曲の投稿合戦が行われた。人呼んで「222戦争」。

その中で、2chの「ボカロ底辺スレ」にて、「再生数底辺の作り手でも、みんなで協力して曲を作ったら良い感じになるんじゃないか」という流れが起き、投稿されたのが上記の「スイミー」。いつ聴いても不思議な魅力があって、励まされる曲。
…以下も2ちゃんねるの話が続きますが、このころは割とこんな感じ。

2chの祭りから生まれた白鳥・「重音テト」


耳のあるロボットの唄(セルフカバー)

08年、3/30。2ちゃんねるで、「エイプリルフールだし、ニコ厨に『新しいボカロが出た』ってホラ吹いて遊ぼうぜ」という趣旨の書き込み(元スレが見つからないんですが多分…)が現れる。
ここまで大々的に「釣り」をしようというのが面白い。当時は普通にあったことなのかな。

それに乗った有志により、名前や容姿など、色々なものが決定。
キャラクターの原画を書く人、音源などを提供する人。色々な人の手により、48時間で、『VOCALOID・重音テト』が公開。
何が面白いって、最初の発想とこのスピード感だと思う。パッケージ絵とか、本当にレベルが高い。
http://kasaneteto.jp/rekishi_april.html
実際、どれだけのひとが引っ掛かったんでしょうね。反応が見たい。

でもって、エイプリルフールの「祭り」が終わると、そのキャラクターはお役御免になり、忘れ去られていく…はずでした、が。

当時、先述のフリーソフト「UTAU」が作られていたことで、キャラクターに実際に歌わせることが可能では、という流れになり、ここに「UTAU・重音テト」が誕生。
「使い捨てられるはずの偽のキャラクターが、本物の声を手に入れ、歌い出す」という実話が、当時から多くのひとの共感を得ることに。

「重音テト」のキャラクターと音源は、UTAUのライブラリの1つとなり、その後、代表的なUTAUのひとつとして、人気を博していく。
キャラの出自も込みで、愛されているのが良いなあと思います。

★遊びは続く。「さとり教育」をひらいた「般若心経ポップ」


初音ミク】般若心経ポップ【PVつき】

08年9/3、おにゅうPによる「般若心経ポップ」が投稿。お経を曲にするという斬新な発想もさることながら、タイトル通りポップな曲調と綺麗な調声、目に焼き付くPVによって、一躍人気に。

でもって、ここからも面白いんですけど、色んなPが上記曲のアレンジを投稿し始める。
人気曲のカバーや「歌ってみた」等はよくあることですが、何故この時は「アレンジ祭り」になったんだろう。本家動画に、派生動画のマイリストが作られてますので是非。

「さとり教育」その他、ネタなタグが色々と付いていたこと、お経の意味を砕けた口調で解説してくれる黄色コメントが「黄色先輩」と呼ばれて人気だったことも、印象に残っている人は多いと思う。

先日見てきたんですが、未だに誰かが「黄色先輩」を継いでるっぽかったので、まだまだ行けるなって思いました。

★ネットだからこそ出来る曲を。「ネトゲ廃人シュプレヒコール


初音ミクネトゲ廃人シュプレヒコールボトラー

2010年10月投稿。これは派生祭りとかじゃないんですが。
作者であるさつき が てんこもり さんが、生放送か何かで言ってたのが印象に残っている。

「当時のボカロは、一番初期を除けば、やはり一般的なラブソングや応援歌が増えてきていた印象がある。せっかくのネット、せっかくの初音ミクなんだから、もっと非リアな曲が増えるべき!…ということで、作った曲です」

録音してた訳ではないので、口調も内容も適当だけど、確かそんな内容だった。
笑ったけど、けっこう核心を突いてるようなきもする。ネット由来の醍醐味もそうだし、ボカロで「多数派」が出てきたとしたら、それを混ぜっ返す力があるのもボカロだなあと。

この曲のPVを見て、「ああ、あのネトゲが出てる」とコメントで語らっているのも楽しい。本当格好良い曲で、ただそれだけでいいんだけど、「MMORPGをテーマにした曲」がここまでヒットしたという影響についても大きいと思う。
この曲があがった一番最初の頃、明らかに普段のボカロリスナーとちがう層がコメントしていて。何を言ってるか分からなかったんだけど、あれって「本物」のネトゲクラスタだったんじゃないかと今にして思います。どこかで紹介されたのかな。

全然関係ない話なんですけど。
わたし、谷川俊太郎がかなり好きなんですが、その中でも新潮文庫版の「夜のミッキー・マウス」がお気に入りです。中にはいってる詩が新旧まじって存在してるのと、「オマケ」って言って詩がついてるのが好きで。あと、しりあがり寿の解説がすごくいい。

夜のミッキー・マウス

夜のミッキー・マウス

赤いものや、黒いもの。威勢の良いものや、今にも息絶えそうなもの。人も自然も理念も事情も過去も未来も、みんな谷川さんに詩にしてもらうのを待っている。
(中略)
それはまるで「成仏」のようなものかもしれない。自らの行く末や出自の中でグズグズともがいてるナニカが谷川さんにフッと息を吹きかけてもらうことで自らを知り、次々に成仏してゆく。


「ボカロ」の存在って、音楽性とはまた別のところで、そういうところも愛しいなあと思うんですよね。
独り言みたいな曲。口内炎、好きな食べ物。SNSや人との確執。ネットで憧れている人。恋や青春や、中二病。励ましや怒り。ありとあらゆるものがモチーフになって、歌詞がかかれる。共産主義や丑の刻参りの歌なんてのもある。なぜそれをテーマにしたんだろうか、っていう。

…まあ、そういうものがいっしょくたに、何の気もなく転がっているのが楽しいですねと。
そういう、くだらないことや大きすぎること、森羅万象、曲になっていいと思うんです。
ネトゲ廃人」に限らず。そういう曲が、心の間隙にハマることも多くあると思う。

閑話休題
この曲について言えば、当時、下コメントで詳細な解説をしてくれる人がいて、面白いなあと思ってた。
タイトル末尾に「ボトラー」って付いてるんですが、これも何か昔のノリだなあと思う。今のボカロはだいぶ小奇麗になったので、誰かが同じノリでやろうとしても、どこかでブレーキ掛かってしまいそうな気もする。

SST(スーパーさつきがてんこもりタイム)でネトゲの名言が弾幕になってたりする。某うたみた動画では、そこ台詞で喋っていて笑った。本家をきちんと好きなアレンジは良い。です。

ちなみに作者さん「さつき が てんこもり」でひとつのお名前で、打ち間違いじゃないです。そういうのもおもしろい。(бεб)Pとか、(ここでは言えない名前の)Pとか。

***


力尽きました…。
次は「P名」と「吹っ切れた」の話。…と言って分かったら、相当のボカロ好きの人だと思いますが。
ここまで読んで頂いた方がいたら、ありがとうございます。

本日はここまで。