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あなたの歌がききたくて。

小説とVOCALOIDと知らない人のことばが好き。

「スターウォーズ」の知識ゼロの自分が、初代と最新作を見較べてみた。

☆きっかけ

 えっと。相方(お笑いのではない)が観たいと言うので、観ることになりました。「スターウォーズ」最新作、「フォースの覚醒」。

 なんですが、ホントにほぼ名前しか知らなくて。「黄金のロボットと小さいロボットが出てくる」「ダースベイダーが悪役。ライトセイバーで戦う」「ヨーダ」くらいしか知識がなくてですね。

 で、最低限の予習をしとこうと思って、先日の一挙放送かなんかで録画した初代(EP4)を昨日の午前中に観ました。
 その足で映画館に行って、EP7のレイトショーを観たわけですが。
 なかなかのカルチャーショックを受けたので、書いてみます。

 あ、がっつりネタバレしてますので、あらすじとか細かいとこ知りたくないって方はバックバック、 オーライです。

☆初代に感じた「若書きの勢い」と「人間への違和感」

 まず初めにいきなり、説明が入るんですね。「レイア姫は設計図を盗みだしたのであった!」って。
 えーと、盗んじゃった側が「正義」のポジション、そちらに感情移入すべきなんですね。体制側が、悪。レジスタンスが、善。うー…ん? はい。OKOK。

とにかく世界観の作りこみがすごい

 しょっぱなから、設計図を盗みだして追われて捕まるシーン。
 で、秘密を託されたドロイドが逃げた先、ルークのいる星の厳しい生活が出てくる。
 もうね、いきなりサンドピープルが、とか先の戦争が、言われても分からないわけですよ。こっちは。
 監督の頭の中にあったんであろう、星の歴史・民族・生活様式とかがごちゃっと出てくる。わかりにくいんですけど、でもそれがいい。こちらを巻き込んでくる、設定の作り込みのすごさ、話としての密度の高さ、これはもう本当にたのしいですね。
 今でこそ、スターウォーズといえば誰もが知ってる世界観ですが。この映画が製作された当時、ナマで観た人からしたら、血管切れそうなほど興奮したんだろうな。魅力としては、型月とかFSSかガ○ダムとか、エ○ァとかヘルシングみたいなもんかなと思ったんですけど。どうなんだろう分かんないです。
 この作品が、ある時突然ぽっと生まれたものなのか、源流となる作品群があるのかは知らないですが、いずれにしてもその見せ方、運び方の方も同じくらい重要なわけで。ミクロな個人の生き様と、マクロな銀河系の命運が交錯してくテンポの良さがすごいなと思いました。設定厨のストーリーテラーというか。

キャラクターにいまいち共感しにくい

 最初に違和感を感じたのは、ルークのおじさんおばさんが殺されたときですかね。「黙って焼け跡を見つめる」シーンの後、すぐに「じゃあオビ=ワンについて問題の星に向かいます」ってなってて。いや、嘆き悲しまなくても良かったんだけど、なんか、こう…。日常から永遠に別れるにあたって、もうちょっと何かないのか、と。
 レイア姫。たぶん「高貴な身分だけど勝ち気で有能な美人」って役柄だと思うんですが、わりとただの毒舌になってた気がする。チューバッカには結局、「このでかいだけのもふもふ絨毯が!」みたいな一言しかかけてないですからね。
 ハン・ソロ。金のためでなく義のために助けに来るシーンはかっこいいんですが。途中で思い返すなら、最初から協力してくれればいいのにとはちょっと思った。
 チューバッカ。彼(?)がどういう性格でキャラ付けなのかイマイチわかんなかった。
 あと、脱出するときにオビ=ワン見つからなかったら置いてくつもりだったのか…とか。なんっか共感しづらいところが多い。

ばったばったと人が死ぬ

 まぁ、そうだろうなとは思ってましたけども。初めて敵の戦闘機(?)を倒して、イェーイ!ってなってるルークにちょっとびっくりしました。
 ただですね。この違和感が曲者で、それは後述します。

☆最新作の「完成度の高さ」がヤバかった

 先日、「とてもよくできた続編で、原作ファンにも配慮しており申し分なさすぎてなんだか…」というようなエントリを読ませて頂いて、へえなるほど…と思いながら行ったんですけど、ホントにその通りでした。その文章を読んでいたから、余計楽しめたと思います。感謝です。

「これぞスターウォーズ」を詰め込んだ?内容

 まず、物語の骨子が初代と似てるんですよね。ドロイドに機密を持たせて、それを守り、情報を送り届けて善を成すことに使う、っていう。そこに、ジェダイの騎士の覚醒と戦いが絡んでくる。
 BB-8がまた可愛いんですよね。柿右衛門みたいな見た目して、感情豊かで、ぴこぴこ言って転がりまわってるのがたまらない。
 あと、旧作に出てきたキャラと船が、時代を経て帰ってくるというのも、ファンには嬉しいんだろうなあ。C-3POハン・ソロとチューバッカ、ミレニアム・ファルコン、レイア姫(将軍)、なんかが、お互いに久しぶりな状態で出会うのは、何も知らない自分でも快感でした。
 計器の見た目とか、照準を合わせる画面(?)とかは、初代そのままを使っているんですよね。そこは無駄に現代っぽく直さないのが良いです。
 ディズニーランドで乗るアトラクションで、入り組んだ船や建材の間を抜ける飛行体験させるやつがありますけど、今回もちゃんとそういうシーンがありましたね。スターウォーズといったらアレなのかなあ、と思いました。
 説明も分かりやすかったし、それでいて説明口調じゃなかったし、何というか花マルなシナリオだったと思います。

新しい作品にふさわしい風

  ストーリーの中心になるキャラクターが、白人女性と黒人男性なんですよね。そういえば前評判でなんとなーーく聞いたことあったかも。
 けっこう挑戦だったのか、そうでもないのかは自分には分からないんですが、登場人物の属性を求めているわけではなく、新要素かどうかはどうでもよく、ただ物語としてどうなのよ。ってところを求めているので。それが全てな訳ですが。
 結果から言いますと、とっても良かったです。

●レイも気が強くてしっかりした女性で、手をひかないで!とか言いますけど、BB-8をつい面倒みてしまったり、自分を置いていった家族を待ってたり、柔らかいところもあって、バランスが良いんですよね。フィンを助けたのに「ラッキーだったわね」とか(ああいうノリは英語圏のソレなのかもしれないですけど)。素敵な人だと思います。
 ハン・ソロを失って、レイア将軍と無言で抱き合うシーン。あれも女性ならではというか、やさしい思いやりが伝わってきてよかった。

●フィンもねー。自軍から離反するわけだから、描きようによっては嫌なやつになりそうなんだけど、「これが正しいことだろう」って台詞がまず良かったです。あと、「子供の頃さらわれてきた」「再教育を受けていた」「襲撃された村の出身だった」とか、こうして書くとホントよく伏線張ってるなあ。
 彼は生まれ育ちもあって、若干保身にはしるところもあるんですけど。良い人なんですよね。BB-8に拠点を聞いて、ナイス!って親指立てたら、シュッ!ってライターの火で返されるとこかわいかった。…最後は、格好良く戦って決めましたし。

●あと、別にこれは新しくはないんだろうけど、酒場のおばちゃん(おばあちゃん?)もいいキャラでしたね。出てる時間は短いけど、人柄が練れている感じが伝わってきて好きです。

ばったばったと人が死ぬ…のに違和感がない

 これねえ。不思議なんですけど。
 EP4と比べると、こちらのほうが余計に人が死んでると思うんですね。
 共和国の惑星(基地?)がいくつも爆撃(?)されてたし。戦闘シーンも作りこまれてるから、モブの倒れるとこも結構あるし。(「裏切り者!」ってフィンに斬りかかるストームトルーパー、あれ名前ないけど(ないよね?)めっちゃ格好良かったですね)
 ただですね。初代と同じように、倒したぜヒャッハー!なシーンはそれなりにあったにも関わらず、全然「えぐいなあ」と感じなかったんですよ。
 何ていうのかな、「これは映画だから」感がすごくて。映像的には、初代よりもリアリティが上がってるはずなのに、人が死んでも「だってこれ映画だから」って思ってしまう。
 なんですかね…。これが金の力ってやつですか…(たぶん違う)
 しかし、人の死というような事柄も描き方によって、思い通りの効果をあたえるように処理できる。っていうのは、新しい発見でした。

どうでもいいツッコミ

●初代もこっちもそうなんですけど、人質を取って口を割らせるのに、どの程度の尋問してるのかなぁ、って気になりました。いや勿論苦しいんだろうけど、レイア姫にそんな手荒な真似したように見えなかったし、ダメロンも五体満足だったし。
 必死なように見えてぬるくないですか、帝国軍。「1984年」とか「華氏451度」の読みすぎじゃないかと言われると、まぁ、はい。って言うしかないんですけど。じゃあお前が拷問されろよ!とかそういうツッコミは勘弁してください。普通に嫌だ。

ハン・ソロとカイロ・レンの再会シーン。なんでストームトルーパーに撃たれなかったんだろう。行間読める人じゃないからか、よく分からなかったです。感動のシーンだから、とかじゃないよね。

●最後。あと2分で最終兵器が再発射されようというときに、チャンバラしてる場合だったんだろうか。爆発物と戦闘機ズのおかげで危機は乗り切れましたが。…まぁ、トップを引きつけておくのが任務だったのかな。

☆比較して、どちらが「面白かった」か? どちらを「すごい」と思うか?

 えーっと、すみません。「どちらが面白かったか」でいえば、EP7の方ですね。

 見慣れた、湯水のように金を使ったであろう映像と、よく練られたストーリーでした。テンポも良かったし、登場人物にも共感できたし。ほぼ文句のつけようなく楽しめました。

 でもって、ドシロウトなりに「すげー」と思うのは、EP4の方ですね。
 何せ、この世界を作った神様ですから。当然。
 同時代で見たかったなーという気はしますね。古い映画はなんでもそうですけど。

 というわけで、新旧それぞれ楽しめたなー!という話でした。

蛇足

 蛇足というか、タイトルとは無関係なんですけど。
 映画が始まる前に出る注意動画、あるじゃないですか。今回はなぜかホフディランが出てて。
 で、「♪映画は楽しいよ~ハラハラドキドキ、涙がポロリ」みたいな歌を歌うわけですよ。(歌詞は忘れました)
 ちょっと気になったんですが。私はもともと、あまり映画とか観ないタイプで、あっても今回のような、ハリウッド超大作!みたいなやつなんですけど。
 文学、音楽、映画、みたいなジャンルにおいては、必ずしもFunじゃなくInterestingを受取るタイプの作品が数多くあるわけで。こう、今回みたいに美男美女が出てきて、勧善懲悪で、楽しかったー!みたいなのだけが映画ではない。というのは知ってるつもりなんです、が。
 どんなガチで鬱な映画も、「♪映画は楽しいよ」で総括されるんだろうな。スクリーンという場所は偉大だなぁ、と思いました。

おしまい。