あなたの歌がききたくて。

小説とVOCALOIDと知らない人のことばが好き。

【LOSER】米津玄師は、踊れる。中田ヤスタカとコラボもしてる。 【NANIMONO】

お久しぶりです。四宮です。

気づけば秋ですね。早いもんです。
二十四節気でいうといつなのかなあ、と思って調べたんですが。
10/8あたりが「寒露(かんろ)」と言うらしいです。

露が冷気によって凍りそうになるころ。雁などの冬鳥が渡ってきて、菊が咲き始め、蟋蟀(こおろぎ)などが鳴き始めるころ。

Wikipedia寒露」|https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%92%E9%9C%B2

いいですね。
まるで梅雨みたいな蒸し暑い日が続きますが、そのうちからっと晴れて、涼しくなってくれるといいです。

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写真は「マジカルミライ2016」に参加する前に行った、千葉ポートタワーのカフェです。
参加したイベントやくだらない雑感や、書きたいことは一杯あるんですが。
取り敢えず、これだけはいま言わなければ!と思ったので書きます。

■米津玄師氏の新曲のMVが発表されました。踊ってます。

www.youtube.com

シングル発売するのは知ってましたが…。こんな感じだとは。

最初から最後まで踊って(暴れて?)ますね。
曲が作れて、歌えて、絵が描けるのみならず、おどりをおどるという技まで習得したってことですか。マルチにも程がある。

わりと歌詞を詰め込みまくっている感じがしますね。珍しい…のかな。ボカロみたい?(一周回った冗談)
曲調はだいぶポップになったなあと思いますが。それ以上のことは自分には言えないので、各位の耳と言葉におまかせします。はー…好き。

そのうちMMDになりそう。誰かがモーショントレースして、色んなキャラクターが踊るようになりそう。まぁ、4分あるので、フルはそうとう大変だとは思いますが。
…頭に何か被るの好きなんですかね? いや、雨除けか…(違)

しかし本当に声が素敵ですよね。
「愛されたいならそう言おうぜ」のところで仰け反りそうになった。

なんなの。泣きそう。
こんなに格好良くていいんだろうか。

前にかいたか忘れましたが。
米津さんのキャリアの花道の最初の名義が、言うまでもなく「ボカロP・ハチ」な訳ですが。「ハチさん」としての活動期間は案外短いんですよね。
2009年から2年弱くらい。(「ドーナツホール」はかなり間が空いたのと後続がないので別で数えてます)

商業の世界にでて、自分の声と名前で音楽活動するようになって。
あんなに濃密な自分の世界をもったひとなのに、どんどん作風が変わっていくのが、本当に意外でした。
ふつう、自分の個性って、ものすごく固執したいものじゃないですか。
10年に一度の才能!みたいな騒がれ方をすればなおさら。
なのに、どんどん「普遍的な格好良さ」を身に着けつつも、自分の個性と融和させて、イメージを薄れさせることはないっていう。
その柔軟なところが好きです。

最近、けっこうTVなんかに露出もしているようですが。
昔、「パンダヒーロー」の時かな。あんなに人気曲なのにどうしてまだカラオケ化されないんだろうって話があって、JOYSOUNDからのメールを見逃したかスルーしたかでご本人の承諾が出てないから、みたいな話が昔コメントで出ていて、それを信じてて、「やっぱりそうとう変わった方なんだな…」って思ってました。(ひどい)


natalie.mu

ご本人も「アメーバみたいな存在になりたい」って言ってるので、「変わっているけど柔軟」で、当たらずも遠からずって感じですかね。

MVの公開が9/15。Youtubeでは370万再生。
音楽業界のことが右も左も分からず、「米津玄師」というアーティストがどういうポジションにいるのか、どのくらいの再生数が予想されるのか分かりませんが、結構イイ数字なんでしょうか。
…と言いながら。だらだら書いてるうちに382万に増えてますね。まじか。
10万再生行ったら殿堂入りと呼ばれる世界に生きてるので、半日でそれだけ稼ぐとか考えられないですね。なんか嬉しい。

昨年8月公開の、アルバム「Bremen」の1曲目「アンビリーバーズ」が現在、Youtubeで444万再生。ニコ動で94万再生(マイリスト15,000)。
「LOSER」は(まだ?)ニコ動側では上げてないので、再生数は比較できないですが、比率でいうと恐らく、Youtubeのほうがあきらかに高くなるかと。
まあ、ニコ動はもう足場としてもあんまり使わないのかもしれないですね。

#あのブログやこのブログでも言及されてましたが、ニコ動って音楽のプレイヤーとしては弱いんですかね。特に10代辺り。
ニコ動を中心とする「ボカロ音楽」に興味のある人間としては、「ボカロ」が実際にはどうやって聴かれているのかが非常に気になるところではあります。
(そういや、ボカロ動画をみててしこたま目にした「うごメモ」ってはてなのサービスだったんですね…。びっくりした。)

中田ヤスタカ氏と米津さんのコラボ曲が発表されました。歌ってます。

getnews.jp

中田ヤスタカのソロ最新作となる映画「何者」の主題歌『NANIMONO (feat. 米津玄師)』が本日より全世界先行配信スタート!


www.youtube.com


ヤスタカ御大。最近の曲はものすごい洋モノっぽい(?)ように感じるんですが気のせいですか。そういう流れなんだろうな。好き。
映画音楽もやってるんですか…すごいなあ。。
青春映画みたいなので、その辺に人気で共感されそうな方でコラボしたということなんでしょうか。

上記のアオリって、よく考えると不思議ですよね。「作曲者」として「ソロ活動」をしていて、ボーカルとfeat.してるわけで。
J-POPしか聴いてなかった時分は、「自分で作詞作曲してるアーティスト・バンド・グループ」と「それ以外」みたいな区分しか頭に無かったので…。(言っててどうかと思うけど本当そんな感じだった)
まあ自分のなかでは随分、意識が変わったもんだと思います。


www.youtube.com


動画では1分ちょっとしか公開されてないので、後半が気になる…。
曲が昨日から発売なんですよね。

今、iTunesで購入して聴きました。
MVで公開されている部分が1曲になった感じですね。ほぼ予想を裏切らないというか。とにかく気持ちいいです。
10/5発売のサントラ版では、ヤスタカ氏のサントラはもちろん、この曲のRemixも4曲入ってるそうなので、非常にお得ではないでしょうか。

「LOSER」ですが、さきほどAmazonでぽちったのでご報告します。
あんまりモノの所有欲はないのですが、感謝と応援ということで、限定版で。
みんな、米津さん聴こうぜ。(←これが言いたかった)

* * *

そうだ。関係無いですが、先日の消しちゃった記事にスターありがとうございました。宝物にします(!?)

本日は以上です。

はてな匿名ファンレター

いただだだっ…
 
足が痺れています。PCの前で正座なんてするもんじゃないです。
なんで正座していたかは聞かないでください。ちょっと、人生の岐路に立ってました。別に過去形ではないか。

えっと。
くしゃくしゃするので、最近ずっとやりたかったことをやります。

ファンレター、ってあるじゃないですか。好きな漫画家さんとか作家さんとかに送るやつ。
芸能人やアーティストをはじめ、色々な事物についてファンとして語っている人は多くいますが。
なぜ、ブログやブクマをしている人にはファンレターが書けないんでしょうか。

いや別に、ブコメやコメントでいいじゃん?って思うでしょ?
でも、皆さん結構まめに更新されるじゃないですか。
それでね、読む時も読まないときも勿論あるんだけど、読むとわりと高確率で、何かしら語りたくなるんですよ。

でも、毎回星つけて、ブコメしてたら、結構怖くないですか。
自分だったらこわい。
べつにネットストーカーではないですけどね。
色んな人に分散して興味があるわけです。

たまたま出会った記事にもうっかり気持ちのままに星つけたり、そこそこしてますけど。
どうなんだろう。広報スターだと思われてたらやだな。

なので、これでも抑えめにしてるつもりなんですが。
そもそも、遊びのために取った(言い切った)アカウントで、ストレスを溜める意味が分からない。
というわけで、
その「興味」の対象について、書き散らそうと思います。

もちろん、宛先は書きません。向こうも困るだろうし。

対象はブロガーさんかもしれないし、ブクマカさんかもしれない。
増田でたまにみる同一性のある文体かもしれないし、特に何って決めずにはてなをやってるひとかもしれない。

フォローの内外や読者数も全く区別していません。特に誰宛でもありません。エアトラバみたいなものです。
気が済んだら非公開にしますので。お星様とかはお気になさらず。

自分が書かれてるかもしれないのが正直受け付けないとか、(ないと思うけど)逆に無かったらやだなとか、思われる方は見ないほうが幸せになれるかと。
っていうか、自分だったら引きますけどね…
(じゃあ書かなければいいのにw)

***


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● 流れるように軽やかにリズムに乗せてくる人。
真面目な話題でも、しれっと梯子を外してくるところがすごい自然。
努力の末に手に入れたものなんだろうなと容易に察せられるところがまた。
言葉の使い方がすごく生真面目で、非常に長い回路を通って表出してるんだろうなと思うんだけど、そこまでPCの前に座りきってるというよりは、回路を通る速度が速いんだろうなと思う。その辺りはやっぱり、努力でどうにもならない部分なのかもしれない。

● 興味のあるところが、恐縮ですが自分と近いんだと思う。まだ、どんな方向で書かれるのかほぼ分からない状態なので、なるほどそう来ましたか…となって何でもおもしろい。

● すごい勉強家というか、教養のある方だなあと思う。はてな女子の皆さんレベルたかい。震えるしかない。震えてる場合じゃないけど。
読んだ本とか観た映画とか、結局はリアルで時間を取って観たもの聞いたものが、自分の中身になるわけじゃないですか。それが整理されてブログの記事になるわけで、こうやって世の中のひとはどんどん階梯を上がっていくんだろうな。自分も全く見聞きしないではないけど、そうやって綺麗にアウトプットするのはすごく難しい。

● 何気ない描写から、匂いや空気感、季節の流れを感じるというか。その場にいるような雰囲気が立ち上がってくる。最初すごくびっくりした。
淡々と話しているうちに、いきなり発想が飛んだりする。えっ、どこに着地するんだろうこれ?って思っていると、どこであれうまく乗せられて、ふわっと落ち着く。
自分の送っている日々をありのまま書くということは、実はとても難しい。自己への客観性が求められるし、同時に、自分というものを大事にしなければできない。(上からっぽく書けちゃったけどそういう意図ではない)
うまく言えないけど、「自分を読まれている人」は、凄いなと思う。

● 透徹した目を持ちすぎて、一周回って万物に慈愛のまなざしを向けているように見える。菩薩のお顔を思い出す。
もうちょっと書いてたんだけど、そら恐ろしくなって消しました。

● 必死に頑張りすぎて、潰れかけているように見える。
いくら自暴自棄に書いても、透明感が消えない。何でだろう。はてな檀一雄みたいな人。

● 書き始めてから今まで、心境や状況が変化してきたんだろうなと思う。いろいろと。
(敬語にしたかったけどうまく敬語にならなかった。日本語むずかしい)
あんまり見てるのもあれだけど。なんかこう。うん。

● すごく女性らしい、優しいけどしなやかで芯のある、憧れるしかない方。
更新されたタイトルを見るとほっとする。
この方に限らないけど、ほんのりブルーだったり、そういう文章もたまにあって。いくら雲の上の人にみえても、当たり前に悩んでいることがあるんだなあと。
例えば、新聞や雑誌のコラムだったら、連載だとしてもそこまで書かないだろうし。何ていうのか、変な意味じゃなくて、その「ゆらぎ」は貴重ななにかだと思う。

● 更新リストに出てこなくなった。
はてなの仕様についてはあえて調べてない。知らなくても死なないし。知ったら死亡なのかもしれないし。落ち込みたくないし。
元気かなあ。

● 落ち着いた雰囲気と、親しみやすい話し方が好き。
いちど、読者登録する勇気が出なくて、後になって後悔した。
ずっと後になってから、はてなトップかダッシュボード(忘れた)で巡りあったので今度こそフォローさせてもらった。どのくらいの確率なんだろう。
ギャンブルや釣りをするひとの気持ちが分かった。ツキは逃したら駄目なんだと強く思ったので、最近は遠慮していない。各方面に。

● どうしてあのタイミングで、ぱったりやめてしまったのか分からない。
順調に見えたけど、そういうこともあるんだな。

● 大らかというか愛に溢れてるというか。好き。
消されてしまった文章があるんだけど、すごくいいエピソードで今でもぼんやり覚えてる。
刊行されたものだったらずっと手元に残ってるのに、ネットって儚いものだと思う。と同時に、昔のひとは大変だっただろうなとも思う。死後、長い年月が経ってから、書簡がごっそり出てきたりする。

● 何かこう、ブログって結局、人柄なんだよねっていう。好きになるしかない雰囲気がある。
何がすごいかというと、読者の「好き」の気持ちをキャッチして、色々なところが変わっていくのが本当にすごい。伸びるひとはこうやって伸びていくんだな、と。
頑張りすぎじゃないかなあと思わなくもない。たまには休んでください。

● とにかく歯切れよい。すごく普通でまっとうな感性を持ちつつ、普通そこまで上がらないだろう…ってところまで沸騰してみせる。
さすがに違う人間なので、100%同意するわけではないんだけど、あそこまでカラっと言い立てられると何でもよくなってくるというか。カラスも白くなる気がする。(それダメなやつ)
江戸っ子ってああいう人のことをいうのかなあ。

はてなを始めてわりと初期から見させてもらっている人。
人として大きすぎて、未だによく分からない。けどすごくあったかい。
色々な物事について書かれてるから、色々な感想がある。あった。
コメントとかしてみたいけど、まあできないよね。できないまま終わる気がする。

● 知性と毒とユーモアがあって、かつはんなりしている。好き。最近見ない。

● そういえば最近、更新されてないなあ。
こんな大手でも、フォロー返しでもちゃんと読んでくれてたりするんだ…と思ったはじめてのブログ。

● 多分、はてなで初めてスターをもらった人。
色々なところで善行を積んで、徳がいっぱい溜まっていそう。堅実で頼れる存在感がすごい。

● さらっと書いているようで、生活や人格を匂わせる。独特の文体がある。
たまたま増田を見ていたときに、もしやと思う文章があったのだけど。真偽はともかく、「その人だと思わせる」だけの力があるというのは中々ない。某XXさんレベル。
もっと有名になっていいと思うんだけど、そこがまたいい。自分の嗜好じゃなくて。そういうタイプのブログなんだと思う。

● ちゃんと「文学」しているひとを生ではじめて見たかもしれない。
ついていくのにはちゃんと勉強する必要がある。…いや、年齢はたぶん同じくらいですが。
というか、何だろう。もっとこう、キャーキャー言いたい。軽薄におブンガクを追っかけて消費したいというか。そういう人がもっといてもいいと思うんだけどなあ。はてなだし。

● 物の見方が好きだなあとは常々思うんだけど、難しくて理解できないことが多々ある。
経緯を理解するのにまず時間がかかる。あとお名前が好き。

● 自分のいる場所を、きちんと言語化して見せてくれる手際が本当にすごい。
敷かれたレールの上でなく、途中下車して休んでいても、今いるところの景色をきちんと見て、適応しようとしている姿勢には頭が上がらない。自分だったら多分できない。
どこにいても、一歩ずつ前に進もうとしている人が結局強いんだなあと思う。

● 自分と全くかけ離れた状況に居る方。とにかく物珍しく面白い。
更新は間遠な感じだけど、ネットが繋がらないんではどうしようもないよね…。

● 期待のニューフェイスだと思っていたら、しっかりと足場を固めて、軌道にのっている。
きちんと調べて準備して始めて、試行錯誤して、自分の中にあった「このくらい」のラインを達成している。中々できないと思う。きっとリアルでも、出来る人なんだろうな。
見栄えがすごくきれいで、見ていて気持ちいい。楽しそうに書かれてるのがまた。

はてなを始めた初期に認識したブクマカさん。
回転とか知識とか、この人達はなにを食べて生きているんだろうと。今でも思ってるけど。
何というか、自分の中で、勝手に"先輩"とか"先生"みたいな感じ。(言っていいのかなこれ)
昔の話とかもされてる時あるけど、覚えきれない。繋いだら一代記になりそう。

● これまた恐縮な話なんだけど、やっぱり興味の分野が被っていると感じる。気になるジャンルの記事によく見かける。すごく勝手な憶測だし多分間違ってるけど、理想の文章とかエンタメ(?)の理論とか、そういう諸々が頭の中に構築されていそう。
知らない人にこんなこと言うのも何なんだけど、もし小説を書かれたら絶対おもしろいと思う。読みたい。

● きれいな言葉が整然と並んでいる様は好き。でも掴みどころがない。
どんな人なんだろうな、ってたまに気になってる。

● そういえば最近、増田で頑張ってる女性の方。
はてなに来て、ひとくちに才女といっても色々なタイプがあるんだなあとしみじみ思ったけど。これほどアクティブなひとは珍しいと思う。(複数形かもしれない)
よく、あんなに色々とネタが出てくるものだなあと。釣れたときは、それは楽しいんだろうけど。度胸と労力だけでも、並々ならぬものを感じる。

●何というか。「生きてるだけで何となく恥ずかしい」みたいな、訳のわからない含羞を分かってくれるひとはきっと、穂村弘のファンだったりするんだけど、そんな雰囲気の文章。笑えるんだけど内面は真摯。
でも多分、ただ笑って、いつか忘れるくらいで正解なんだろうなと思う。


***


はー…
スッキリした。

まだ色々と忘れてる気がしますが、ちょっと思い出せないのでこの辺にします。

本日は以上です。

たまには残念系だってまじめな話がしたい

書きたいことがちょこちょこありまして。
ちょっともう、見切り発車でお願いします…(最低)

★★★

誕生日:

誕生日でした。わー。
もうあんまり嬉しくもないんですけど、銀座と九十九里浜に連れてってもらったり。(すごい組み合わせだなあ) 祝ってくれる人がいるのは素敵なことです。

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メニューの上においてるのは、お皿がどかっと来て一時的に場所がなかったのでw

さいきん若干扱いが良い感じなのは、「こいつもそろそろ結婚するだろうから今のうちに触れ合っておこう」的な気運を感じるんですが。結婚?もちろん間もなく!とは言えないかな…。

参院選

「私が投票所に行かない理由」「行く理由」的なエントリがホッテントリに上がっていて面白かった。「行く理由」の方は読んで、すごく素敵だなと思った。権利って何でもそうだけど、先人の志と努力の末に勝ち取られたものなんですよね。
投票所に行くのは、自分にとっては当たり前のことではあるんだけど。その先について、「選挙公報その他をよく読んで、考えて投票しよう」と言うことですね。18歳選挙権も始まったことだし。

互助会:

はてなでブログが書かれる理由を、仮に3つに分けてみる。

ひとつめ、自己満足。
言い方は悪いですけど、記録、感情の吐き出し、オピニオン、色々な感情的欲求によって「書きたい」とおもって書く。いわゆるふつうの人がブログを書く動機。
大きく分けると、「専門性や時事性のあるもの」と、「人間力や文章力で魅せるもの」になるのかな。後者は特に評価が分かれるところなんだと思う。
皆、立場も考え方も使う言葉もちがう人間で、だからブログや増田がたのしい。はてなに来てよかったなあと思います。

ふたつめ、お金。
自分が面白いと思ってファンになってるブログは、いくら収益公開してようがなんとも思わないんですよ。「自分にとって有益な情報や面白さをくれる人」だと認識しているので、報われて欲しいと思うし、更新のモチベーションになったらいいなあ、くらい。
逆に、自分にとっての価値があまり見出せなかったり、客観的にみて(るつもり)で「内容が薄い」と思うような記事はやっぱり苦手。
さらに、その記事が「収益ありきで書かれたもの」だった場合、苛立ちは倍増するわけです。
でも。「面白かったら許せるけど、面白くないと思ったら腹が立つ」って、それは単純に自分の主観だから。難しい。
(そもそも、ネットで収益を得ようとすることが間違ってる!っていう風潮もあるかもですけど。今時、現実として不可能だろうなと思いますし。)

みっつめ、慣れ合い。
これまた言い方悪いですけど。ひとが集まったら交流が始まるのは当たり前で、SNS機能があるんだからやればいいと思う。
例えAmazonレビューみたいな記事でも、それに「これいいですね!」とコメントがつく流れを排斥する筋も権利も自分にはない。
ただ、思うんですけど、そういう「いいね!」的な一言をなぜブコメでやるんだろうと。コメント欄でいいじゃない、と。
ブコメは保存と議論の場、コメントはそのひと本人に伝えたいメッセージ、そういう使い方が本来のはずで。ブクマ数が適正になれば、ホッテントリも落ち着くとか。
…そういう問題じゃないのかな。的外れっぽい。恐縮です。

その、ホッテントリ問題ですが。
薄い記事でホッテントリが汚れる!と言いますけども。
じゃあ良貨で悪貨を駆逐したらどうなのかなあ、と。
はてなのサービスを使っているからには、ブログを書くことは誰でもできる(で合ってますよね…?)。

見てて思うのは、単純に人種の違いのような気もするんですよね。
本が大好きで、文章を見る目が肥えているような人(もともとのネットユーザー的な人)と、リアルに重点を置いていて、ネットはソーシャルのためにやってるような人(ライトユーザー)、の軋轢なのかしらん、と。分からないけど。

まあ、多様性を確保しつつ、仲良くやれたらいいですね。
適当っぽい言い方になってしまいますが、本当にそう思います。

★★★

本日は以上です。

2016年上半期でヘビロテした音声合成ソフト曲を挙げてみる

今週のお題「2016上半期」

まだ夏季賞与の金額が通達されていないので、書くことがありませんね。意識低い社会人で恐縮です。

というと終わってしまうので、ここ半年くらいでUPされたVOCALOID・UTAU曲のうち、特に好きなものを貼ってきます。ラブですめっちゃラブ。(日本語)
ジャンルは意図的にかなりバラけています。そして意外と曲数があります。よかったらぽちぽちしてみてください。


一聴して調声の素晴らしい曲。調声だけでなく、全体から受けるイメージが綺麗でとても好きです。


色々な曲がサンプリングされた一曲。本当に気持ちいい。いつまででも聴いていられます。元曲で知ってるのは「初音ミクの証言」くらいしか無かった。


Fukaseがボカロになると聞いた時には正直、中高生に人気の有りそうな有名人だし分かるけどなんだかな、という感想しか無かったのですが。
コンピCDの顔ぶれがすごい良くてですね、話せば長いんですけど。その中で、さすがの鼻そうめんPを選んでみました。


沢田凛さんは「冬のシューゲイザー祭2015」のタグで知りました。ハスキーボイスなロック。耳が溶けそうな感じが好き。


ヒップホップの何を知っている訳でもないんですけど、でんの子P/松傘さん のこのリズムがどうにも好きです。クリスマスにUPされた、一周回ったラブソング。ミクとラピスが一緒に歌っているのは意外とレアだと思う。


鏡音たちがテッテレーしています。この曲のジャンルに自信がないのでかくのやめておきます(正直)。
これ20分19秒あるんですけど、最初っから最後までテンション上がりっぱなしになるのでほぼ事故。作業用には正直むいてない。
ココシガPはさいきん投稿される頻度がたかくてすごいうれしいです。


これはブレイクコアですって主コメに書いてるから助かる。だそうです。やー、本当格好いい。
あ、ONEちゃんはCeVIOですね。

ぼかろ好きの人なら分かってくれると思うんですが、音声合成ソフトはVOCALOIDだけではなく、フリーソフトであるUTAUも同じように使われて親しまれてきました。で、「ボカロって言っても本当は『VOCALOID・UTAU』なんだけどね」っていう区別をいちおう毎度していたんですけど、近年CeVIO(チェビオ)というソフトも隆盛になってきまして、いよいよ「ボカロ」という呼称ってどうなんだろう、と思うわけです。
やおい」が「BL」になったみたいに、誰か、「音声合成ソフト」のうまい言い方を見つけて流行らせてくれないかなー。(・ω|


アップな感じの曲ですが、切ない。耳から離れなくなります。
歌唱は「v-flower」、通称「花ちゃん」。このディープな声はむしろUTAUっぽいというか、VOCALOIDには珍しい気がします。
余談ですがこのPさん、色々と「場所」にあわせて曲の引き出しを探っているようで、すごいなと感じます。今後どんどん人気になっていきそう。


ルカさんとR&Bという、願ってもない組み合わせ。シャレオツPってインパクトあるお名前ですが、本当にお洒落な曲ばっかりで素敵です。
IAちゃんのハウスとかも投稿されてます。


MSSサウンドシステムさんは何を貼ろうか迷った。UTAUトロニカで、雪歌ユフが使われてますがインスト。
きもちいいとしか言いようがないです。


初音ミクのクリアボイスが存分に堪能できる、美しすぎる曲。間奏にギターが入るところで何か叫びたくなります。(だから日本語)


ういさん!久しぶりのういさんじゃないですか…! ものすごく明るい曲ですね(弊社比)。
暗いようで、寄り添ってくれる独特の優しさがとても好きです。


教科書にもお載りになったきくおさんをここに持ってくるのか!って感じですけど。もうさんざっぱら色んな人が紹介されてるだろうから、いいかなって…(適当)
最近はやりのストーリー化を始められたんでしょうか。全容が気になる。


電ポルPで花ちゃん。1月はこの曲の再生数をそうとう伸ばしたと思う。


とあさん。軽やかなリズムにのって歌われる、お別れの歌。


某・有名なミク曲のカバー。「ボカロ」の文脈をしらないひとには分かりづらいかもしれないんですけど、もう愛しか感じないですね。本当に。
主コメにわざわざ「ここを変更しています」って断ってあるんですが、ryoさんなら絶対に分かってくれると思うし、この動画を良いと思うひとにも伝わってると思う。

そういや、文章内でソフトを呼び捨てだったりちゃん・さん付けしてたりしますが、特に意味はないです。車の名前くらいの距離感で呼んでます。みんな好きですので、あしからず。


2016年下半期も、自分の知っているPやしらないPの、色々な曲が聴けるんだなあと思うと本当たのしみです。

本日は以上です。

赤い傘と傘っぽいなにかの話。

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https://www.pakutaso.com

雨が嫌いだ。

かの有名なエヴァの最終話、最後のシーンには有名な台詞(群)がある。自分の閉じこもる殻を破り、個として生きていく決意をした碇シンジに、登場人物達が言う、「おめでとう」。

が。私があのシーンで一番印象に残った言葉は、それではない。
「雨の日は、憂鬱」というレイの台詞。そしてそれを受ける、「雨の日だって、楽しい事はあるのに」という、リツコの台詞である。

自分はとても単純な思考回路をしているのか、晴れた日は、ただそれだけで気分が良い。風の強い日も、元気になれる気がして好き。
雨の日は、空が暗い。足元が泥に塗れる。傘を持つのも濡れるのも面倒だし、何だか気分まで暗くなる。

でも、物事なんて、見方ひとつで変わるもの。
本当に当たり前のことで、わざわざ書くまでもないのだけど。
ほんの些細なきっかけで、ちがう世界が目の前に開けたりする。

★★★

先日、傘が壊れた。
赤くて大きめの、裏側に星座の描いてある傘。
 
会社の先輩(厳密には違うけど)とお揃いでサンダルを通販してもらうついでに、カタログをみて気に入ったので一緒に購入してもらった(もちろんお金は払った)。
明るくて元気で、広い方面に気配りができて、憧れの人だった。こちらがうまく態度に出せないので、向こうはそんなこと知らないと思うけれども。
今年に入って、産休で現場を退かれたので、今は一緒に仕事をしていない。

そこへもってきて、傘が壊れた。気がついたら骨が折れていた。
それほど高いものではないし、折り畳みもあるのでそこまで困るわけでもないのだけど。
自分でも意外なほど、さびしいな、と思った。

広げると、内側に星空がみえる。珍しく、人との繋がりで手に入れた、お気に入りの傘。
気がつけば、雨の日が少しだけ、楽しくなっていたのかもしれない。

形あるものはいつか壊れる。
だから、今あるものを大事にしようと思う。思ったことは、言葉にして残しておこうと思う。
相変わらず、大した文章じゃないけど。

★★★

さいきん、自分の視野内に、悩んでいるのかもしれない人がいる。

本当のところどうなのかはしらない。
「もう、特にやりたいことがない」とか、しれっと言う。
正確には「しれっと書く」。
なにせ、ネットの向こうの人なので。
実際何を思っているか、パッと見でどういう人であるか、とかそういうことは完全に想像の埒外である。

ただ。顔を見たことがなくても、その言葉はほんものだと思う。
色々な勉強をされていて、単純にすごいと思う。日常の些細なエピソードを書くにも、味があって。何でだろうなあ。


お気に入りの傘がひとつあるだけで、雨の日が楽しくなることもある。

自分はどうも、傘にはなれそうにないのだけど。
その人にも、誰か、何か。
傘っぽいなにかがみつかればいいなあ、と思っている。


本日は以上です。

大家さんが店子の肝の小ささに驚いているようです

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https://www.pakutaso.com

「ちわー。もう開いてますか」

「おお、四介さんじゃないか。居酒屋じゃあないんだから、開いてますかってことはないがな。まあ、おあがり」

「どうも、ご無沙汰しております。いやあ、実はちょっくら珍しいことがありやしてね」

「…分かった。だから、Pixivもほどほどにしなさいと言ったろう。放っておけばいいんだ、架空請求なんてものはな」

「大家さんが想像する俺の珍事ってなあ、お絵かきサイトでR-18詐欺に遭うくらいが関の山ってかい。
いや、そうじゃねえんですよ。あのね、はてなブログからidコールが来た」

「…運営にどれほどの恨みを買ったら、公式からidコールが来るんだろうな。何をやらかした」

「いい加減にしてくんな、大家のくせにボケてばっかりじゃねえかまったく。
いや、何でも。この間キャンペーンで書いた記事を拾ってもらったらしいんで」

「あー見た見た。アレだろ? 他の受賞者の方がサラッときれいにまとめてるのに、お前さんだけ2倍ぐらいの文字数で、黒歴史を語り倒してたやつだろう。あれは笑った」

「ひとの美しい思い出を、ネタとして昇華すんじゃねえや。…実は俺も、顔から火が出たけど。
まあ、それでさ。幾つかスターを頂いたりしたから、アクセス数を見てみたんですよ」

「伸びてたかい」

「聞いて驚けクソ大家。…なんと、普段の6倍になってた」

「誰がクソ大家だまったく。…とにかく、6倍とは驚いた。さすが公式の力だね。
…で、1日でいくらぐらいだったんだい」

「初日は60台前半。そのあと数日は、そのビッグウェーブが続いたらしい」

「…思ってたよりはるかに切ない話だったね。普段のことはもう聞かずにおこう」

「ま、こんな中身の薄いブログでそれだけ見てもらえりゃ御の字でしょう。
更新も大してしてねえしね」

「ならなおのこと、これを機に、ご挨拶のひとつも書いたらどうなんだい。
読者登録させて頂いた、して頂いた方もいるんだろう。有り難いことじゃないか」

「それがね。…忘れたんで」

「なにを」

「いままで、どんな感じで書いてたのかを忘れた」

「…ビビったんだな。
さっきからたまに、マナーモードみたいに震えてる理由がようやく分かったよ」

「…あいすいません。
っていうかね、どう考えても、フォロー頂いた人とレベルが違いすぎる」

「そりゃそうだろう。今後、鋭意努力したらいいじゃないか」

「いや、まじめに背伸びして書こうとすると、また熱いポエムになることに気がついたんで…。
ネット上に新しい黒歴史を刻むことに躊躇いを覚える」

「お前さんの人生は、ろくでもない思い出に満ちる運命なんだね。
…まあ、気負っても仕方がない。ぼちぼちやんなさい」

「へい。
…そのような訳にあいなりまして、どなたさまも宜しければ、気の向いたときにお立ち寄りくださいませ」

「いったい何者なんだお前は」

かもめは胸の中で羽ばたかない

 高校生の頃、演劇部に所属していた。近所だからと何となく決めた高校に合格した春休み。久しぶりに読んだ小説が「演劇」を扱ったものだったという、安易な理由で憧れて入部した。
 春の柔らかい日差しが差し込む教室。机を後ろに寄せて作ったスペースで、準備運動やエチュードをやっている先輩たちは楽しげで、格好良くて憧れた。
 そのなかで一番、動作が大きくて目立っていた人。
 校則違反のブレスをつけて、下手な冗談を言っては自分で笑っていた先輩に、恋をした。

 よくある話なのだけれど。先輩には好きな子がいた。
 自分の同期の一年生。色白で骨細で、最初は近づきがたくも思えるのに、とても気遣いがうまい。するっと人の懐に入って、忘れられなくなるような女の子。
 つたない話し方しかできない、人見知りで引っ込み思案の自分には、それがとても眩しかった。
 
 入部して分かったことなのだけれど、演劇に一番必要な能力は、戯曲を理解することではない。自分の身体を意図するままに動かせること、他人とセッションができるコミュニケーション能力。それがないと始まらない。
 春が過ぎ、若葉の頃になって。置いて行かれるのではと焦り始めたのは何月頃だっただろうか。

 休日も部活関係で潰れたり、自分でも演劇を観に行ったりもする傍ら、戯曲にはまって、「せりふの時代」という雑誌なども買うようになった。
 清水邦夫あたりから始まって、成井豊鴻上尚史も何冊か読んだところで、そもそも演劇にはまったきっかけの戯曲に出会った。
 チェーホフの「かもめ」。実際に読むのはそれが初めてだった。

* * *

 1895年作。ロシアの片田舎を舞台に、地元に住む人々と、避暑に来た女優とその息子、流行作家などの顔ぶれが描く人間模様をドライに写した作品。
  

そうらね、おっ母さんは僕が嫌いだ。あたり前さ! あの人は生きたい、恋がしたい、派手な着物が着たい。
ところがこの僕が、もう二十五にもなるもんだから、おっ母さんは厭(いや)でも、自分の年を思い出さざるを得ない。

チェーホフ神西清)『かもめ』新潮文庫、1973年、14頁)

完全に一オクターブ低いやつでね、「ブラボー、シルヴァ!」 それが君、専門の歌手じゃなくて、たかが教会の歌うたいなんですからね。

(同上、31頁)

 群像劇のようだけれど、主人公は女優の息子であるトレープレフ。派手好きの母を、複雑な思いを抱きながらも愛している。母であるアルカージナのほうも、息子を愛してはいるのだけれど、彼が書いた新進気鋭の戯曲を悪気なくひとまえで貶してみせたりと、想いが通じあっているとはいいがたい。
 
 後者は、アルカージナの兄の家の支配人であるシャムラーエフの台詞。舞台が好きで、知り合いでもない役者や歌手を馴れ馴れしく語り、自分の興味のある話しか話さない。

 チェーホフの偉大さはいまさら語るまでもないけれど。この戯曲の傑出しているところは、登場人物が一人残らず、愚かで自分勝手に描かれている所だと思う。それでいて、人間くさくて愛おしい。
 四幕の喜劇、と銘打っているけれど、コメディというにはあまりにも救いがなくて、写実的。それでも、滑稽で笑ってしまう。
 そして、チェーホフのなかでも、この戯曲に目立つ特徴。
 それは、登場人物の恋愛が多い、ということである。

 トレープレフは、その土地で暮らす女優志望の娘、ニーナに恋をしている。が、ニーナは都会にあこがれていて、流行作家であるトリゴーリンと都会に行くことを決意する。

* * *

 演劇部の活動にも慣れた頃、夏休みに学校で合宿があった。学校から何駅か離れたところにある公民館で、朝から晩まで練習。騒ぎながらお風呂に入って、夜中までお菓子を食べて喋っていた。
 三々五々、寝るなり語らうなりで散っていく中。
 人の寝静まった夜更け、食堂でゲームをしている先輩に、見ていていいですか、と聞いた。
 いいよ、と言われたので、すこし離れた場所に座って、画面を眺めていた。

 いくら言葉を知っても、そのときの自分には何を唇にのせることもできなくて。
 ただ黙って、譜面が流れていくのを見ていた。

 秋になって、別の合宿を校外でやることになったとき。一冊の冊子が全員に配られた。正確には台本ではない。色々な台本の場面を抜いて、滑舌や表現力の練習をする用だったと思う。
 その中に、「かもめ」の一節があった。

 トリゴーリンについて都会へ旅だったニーナは、女優業がうまくいかず、地方まわりで苦しい生活をしている。生まれた土地へ帰ってきたニーナに、トレープレフは「自分と生きて欲しい」と懇願する。そのときの台詞だ。

すっかり、へとへとだわ! 一息つきたいわ、一息!(首をあげて)
わたしは--かもめ。……いいえ、そうじゃない。わたしは--女優。そ、そうよ!

(同上、97頁)

 シェイクスピアの次くらいに、有名な台詞。前後の場面も抜粋されていた。
 ドラマチックで、感傷的。それでいて、真剣すぎてどこか滑稽だ、と思った。
 まるで、そのときの自分のようだった。
 
 文章を覚えて、喋った。舞台ではないので披露する機会はほとんど無かったけれど、それでも何かが昇華される気がした。
 自分の立場からいえば、トレープレフに恋をしていても相手にされないマーシャの役柄であるはずなのに。それは都合よく忘れていたのだろうか。

* * *
 
 秋。学校祭の準備をしているうちに、先輩と彼女は仲良くなったようだった。まるで少女漫画のようだけれど、本当の話だった。
 帰り道、たまたま一緒になったところで、好きな人がいるから付き合えない、と言いにくそうに言われた。
 
 告白してもいないのに振られる、という体験は、なかなかに恥ずかしく、しんどいもので。
 その後、かなり長くひきずることになる。
 演劇自体はそれでも好きで、翌年の夏まで続けていた。後輩が入ってきて、自分の適性のなさを思ってやめたのだけれど、今でもあのころのことは大切な思い出だ。

 それでも、「かもめ」はずっと長いこと、開くことがなく。
 捨てられもせず、本棚のなかで息を殺していた。
 新潮文庫版。昭和48年、10刷。手に取ると、頼りなく軽い。少し黄ばんだ白い色をしている。あの劇のなかで、撃ち落とされて剥製になった、白いかもめのように。

 いま、読み返してみて思う。
 こんなに、小さな世界の話だっただろうか。

 もし、トレープレフがニーナを追って、都会にでてきていたら。
 マーシャが結婚せず、トレープレフにちがうアプローチをしていたら。
 流れは変わっていたかもしれないのに。

 狭い場所で、きらきらと輝く、あのころの世界はもうない。
 その小ささを知ったいま、もう剥製のかもめが胸の中で飛ぶことはないけれど。

 切ないながらも、鮮烈だったあの頃を、この一冊で思い出した。

 
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